リハーサルと本番

今回ご紹介する書籍は株式会社リクルート経て、サンダーバード国際大学院でMBAを取得して現在、オーダーメイド型企業研修を展開する会社の代表取締役として活躍されている 大塚 寿さんの著書である 「55歳の壁 突破策」 という本の中で私が良がいと思いました気づきを2点ほど上げてみようと思います。

 

一つ目は 「会社人生の本意・不本意率が 2:8 だったとしても、これまでの会社人生を断ち切ってほしい」というフレーズです。

 

分かりやすく言うとこれまでの会社人生はいわばリハーサルであり55歳以降が本番であり55歳以降が本当の人生の始まりであると著者は述べています。

 

リハーサルは練習試合と同じで様々な欠点や弱点が表出するのでそれらを修正して本番に臨みましょうという意味合いだそうです。

 

またこれまでの仕事人生に区切りをつけ、「本当の人生」をより良いものにするために一旦振り返りをしてあなたの傾向を知っておきましょうということです。

 

リアルな例であげますと人気時代小説家の辻堂魁さんは60歳で定年退職してから初めて時代小説を書きヒットしたそうです。

 

これはほんの一例ですが、こういう考え方があることは今迄知りませんでした。

 

会社の中ではどうしても上級役職者・実績を上げた社員・若くして昇進を果たした管理者などが注目され、特に上級役職者でない年配社員は会社から置き去りにされているように感じてしまいます。

 

最近の私は新卒以来同じ会社に30年近く勤務していながら昇進を果たせていないこと、昨年から工場勤務となったことで今までの営業としての経験が生かせないこと等の劣等感を持ってしまう事が多く、仕事のモチベーションを下げてしまう要因となっていました。

 

この著者が提唱する「55歳以降が本当の人生の始まりである」という考え方で仕事に臨んでいくことはまだまだ現役で働き続けなくてはならない我々世代にとって大きな励みになると思います。

 

2つ目は 「心の健康を保つためにも1人の人間が5つ位のペルソナ(キャラクター・性格)を持つことが大切」 というフレーズです。

 

ある調査によれば心の健康を損ないやすい職業の1位は教師で2位が専業主婦、3位が宗教家といって1つだけのペルソナに縛られやすい環境や環境の人だったそうです。

50歳も中盤になると社内で自分を褒めてくれる人などいなくなります。言われてみれば確かに当てはまることがあり、自己満足では自己愛を満たすことが出来ず、何も対処しなければモチベーションは低下していくばかりとの事です。

 

組織の中で誰からも褒められず評価もされなければ無力感を学習してしまい、仕事のパフォーマンスも逓減していくとの事です。

 

それであれば自分へのご褒美を象徴する居場所を持つという事が賢い方略との事です。

 

例えば仕事は出来ても会議や得意先で何も発言しない技術者がカラオケに行くと豹変してしまい、司会まで買って出るといったケースです。

いわゆる気分転換的な物にも感じられますが、仕事以外での自分の居場所を作っていくことがこれからはとても重要だと思いました。

 

私がこうしてブログを始めたのもそもそもが会社では作業中心で人と会話をしたり話したりすることも殆どなく、ましてや文章を書いて発信することなど皆無に等しい状況の中でストレスを感じ、何か出来ないかと探していたところブログを書いて発信するという事に巡り会えたからです。

 

この他にもこれからの生き方を考えるうえでとても参考しなることが多く書かれていますので、今後のセカンドライフについてまだ方向性が決まっていない方、または今ひとつモチベーションが上がらない方などぜひこちらの書籍を一読することをお勧めいたします。